あなたは自分自身のことがよくわからないと思うことはありませんか。
もしまだ自分のことをよく理解できていないと感じているのならば、
ぜひ心について学んでみましょう。
人の心を理解できるようになると、自分や他人がもっている性格や個性を受け入れやすくなり、
それぞれの強みを活かしたカラー演出も行ないやすくなるはずです。
まずこのセクションでは、「フロイトによる心の領域と働き」、「フロイトの局所論とは」についてしっかり理解するようにしましょう。
フロイトによる心の領域と働き
「氷山の一角」という言葉があります。
これは、起こっている物事は表面上のごく一部であり、大きな氷山のように見えない部分が大きいということを意味しています。
ネガティブな出来事に使う言葉でもありますが、私たちの心は氷山の一角に似て、ほんの一部しか表に出ていないのかもしれません。
ジークムント・フロイトは、オーストリアの精神科医であり精神分析学の創始者と言われています。
フロイトによると、心の領域には「意識」、「前意識」、「無意識」の三層があります。
詳しい内容について、次の項目で確認していきましょう。
フロイトの局所論とは
心は、「意識」、「前意識」、「無意識」という三つの領域に分けられています。
これを「フロイトの局所論」と呼びます。
それぞれについて詳細を確認していきましょう。
(※一般的に、心の表面にある意識を顕在意識、心の奥にある無意識を潜在意識と表現することもあります。)
意識(Conscious Mind)
自分自身で考えている内容や行なっていることをしっかりと自覚している状態です。
たとえば、ポケットや鞄に本が入っていることを認識していて、必要なときには取り出して読めるようなイメージをするとわかりやすいかもしれません。
そこに何があるかを自覚していて、必要に応じて取り出せる状態です。
前意識(Subconscious Mind)
意識と無意識の間にあって、いつも自覚できているものではない状態です。
たとえば、金庫の中になにを入れたのかを忘れていて、パスワードを思い出しているようなイメージです。
思い出そうと一生懸命考えたり、他の人から指摘をうけることではじめて自覚できる状態をいいます。
無意識(Unconscious Mind)
普段は心の奥に押さえつけられている状態のことです。
たとえば、家の中に本は置かれているけれど、実際にはそれは読まれていないような状態を意味しています。
家の中にたしかに本はあるけれど、どこにあるかを把握しておらず、読む必要性を感じていないようなイメージです。
フロイトは、「無意識は意識よりも大きい部屋に住んでいる」と述べており、
意識よりも無意識の影響が大きいことを指摘しています。
また、無意識から意識へ移動する心の動きがあるとも報告しています。
無意識だった感情が何かのきっかけで意識するものへと変化することもあるのです。
このセクションでは「心の領域と働き」として、主に「フロイトの局所論」について学びました。
心の領域には、意識・前意識・無意識があること、それぞれが意味する内容をしっかり理解できるように努めましょう。
次のセクションでは、「フロイトの構造論」について学んでいきましょう。