フロイトは、局所論における「意識」、「前意識」、「無意識」の考え方をさらに発展させて
「構造論」として、心の機能や構造について発表しました。
このセクションでは、「フロイトによる心の機能や構造」について学んでいきましょう。
フロイトによる心の機能や構造
フロイトは、心の働きには「超自我」、「自我」、「エス」が、それぞれ相互に作用していると主張しました。
これを「フロイトの構造論」と呼びます。
それぞれについて詳細を確認していきましょう。
超自我(Super-Ego)
良心とも呼ぶべき心の働きで、自我とエスの働きを監視・抑制しているものです。
意識と無意識の両方に出現していますが、基本的には無意識に存在しています。
エスからの要求を自我に伝える役割もあります。
子どもの頃からのしつけ、理性、道徳、ルールなどによって善悪の判断を行なっているものです。
エスをわがままな子どもだとすると、超自我はその親にたとえることができます。
自我(Ego)
自我は「超自我」、「エス」、「現実の世界」の間に立ってバランスを調整している役割があるものです。
超自我とエスはそれぞれ単独では対立しやすくなるため、その間に挟まって働きを調整しているのです。
エスと超自我からそれぞれ要求を受け取って、現実の世界に反映しています。
ネガティブな感情を受け取ったときには、心を守るために無意識に防衛機制が働きます。
自我によって人は現実的な行動をとろうとするため、いわば理性的で分別のある大人のような役割があります。
エス(Id)
善悪や道徳などとは無関係に起こる、その人がもつ無限の欲望を意味しています。
生まれたときからもっている心で、本能的な欲求や生理的な現象がふくまれており、生まれたばかりの赤ん坊に似た状態です。
フロイトは生きるために必要な欲求が出てくる「煮えたぎる釜」のようなものと表現しています。
超自我が強すぎるときには、親のしつけに逆らえない子どものように、エスの欲求を表に出せない状態になります。
自分のしたいこと、やりたいことを現実では行なえないようになるのです。
しかし、エスの役割が強くなりすぎると、今度は社会性が欠けている行動を起こしてしまいます。
また、自我がしっかり働いていないと、どんなことも自分では判断できないような人になってしまうのです。
私たちが何かを行うときには、自我だけが働いているわけではありません。
超自我やエスの働きも関与しており、それぞれバランスよく働くことが大切であることを知っておきましょう。
このセクションでは、「心の機能や構造」として主にフロイトの構造論について学びました。
このように複雑な構造と働きをもつ心ですが、実は色を使って自分の心を見つめなおすことができる方法もあるのです。
次のセクションの「好きな色でわかる性格」でその方法を具体的に学ぶことができます。
引き続き内容をしっかり理解しながら学んでいきましょう。