色の三属性において、「彩度」は、色を見たときに感じるインパクトの強弱に関係しています。
インパクトを弱い色をたくさん見ても、あまり記憶に残りませんよね。
逆に、インパクトが強い色が多すぎたときには目が疲れやすくなってしまいます。
広告などの訴求物を作るときには、インパクトがある色を適度に配色することで、
人の心に残るものを作り上げることができます。
このセクションでは、彩度が関係する「派手感・地味感」、「興奮・鎮静」について、
それぞれ学んでいきましょう。
派手感・地味感
誰かとすれ違ったときに、「あの人が着ている服は派手だ」と感じることがあります。
洋服やインテリアを派手だ・地味だと感じることを「派手感」、「地味感」と表現します。
これは「彩度」が関係している心の変化です。
それでは、赤色と青色ではどちらが派手に感じるかを考えてみましょう。
これには、実は答えはありません。
派手感・地味感は色相の違いではなく、「彩度」が関係して起こるからです。
上にある画像で使っている色はそれぞれ色相が異なりますが、どれも同じく高彩度です。
画像の色をそれぞれ見比べてみたときには、どれも「派手だ」と感じるのではないでしょうか。
色相が違っていても、彩度が同じであれば同じように感じるのです。
このように、派手感・地味感は色相の変化とは無関係であり、彩度が高いほど「派手に感じる」、
彩度が低いほど「地味に感じる」ことを知っておきましょう。
興奮・鎮静
色を見るだけでテンションが上がった経験はありませんか。
逆に、落ち着いた雰囲気の店内ではリラックスしてくつろげることもあります。
私たちが色を見て興奮や鎮静を感じるのはどうしてなのでしょうか。
興奮や鎮静といった感覚には、「彩度」だけではなく「色相」も関係しています。
彩度が高い暖色系は「興奮」を、彩度が低い寒色系は「鎮静」を感じる色になるのです。
ハンバーガーショップなどでは、彩度が高い暖色系を利用しています。
興奮を感じさせる色を使うと店内の滞在時間が短くなり、ファストフードに大切な回転率をアップさせることができるのです。
このように、「彩度」は販売やビジネスなどにおいて欠かせない心理的なカラーであるといえます。
今回学んだ内容をしっかり復習して、日々の生活にも役立てましょう。
まとめ
この章では、「色と心の関係」について学びました。
まずは色を見たときに起こる自分の心の変化に注目してみると、色を使って誰かの心を動かしたいときに役立つ知識となります。
また、色の三属性のそれぞれがもつ特徴については、色を見たときに心が感じる内容について、しっかり理解して覚えるようにしましょう。
次の章では、「色で悩みを解決」について引き続き学んでいきます。