Lesson5-2 色の心理的な効果 色相

色を見たときには、それについてさまざまな心理的な影響を受けることがあります。

たとえば赤い色を見たときには、「派手」、「目立ちたがり」、「温かい」、「緊張する」などいろいろなことを心が感じることでしょう。

国によって異なる反応を見せることもあれば、ある程度共通したイメージをもつこともあります。

色の心理的な効果には、「色の三属性」である「色相」、「明度」、「彩度」がそれぞれ関与しています。

このセクションでは、まず「色相」がもたらす一般的な心理効果について学んでいきましょう。

「暖色系と寒色系」、「進出色と後退色」について、しっかり理解するように努めましょう。

暖色系と寒色系

赤色、青色、橙色の中で、温かく感じる色や寒く感じる色はどれでしょうか。

おそらく、ほとんどの方が赤色と橙色を温かく感じて、青色を寒く感じるのではないでしょうか。

色は、温かさを感じる「暖色系」寒さを感じる「寒色系」に大きく分類できるのです。
(※分類方法によっては、暖色系と寒色系以外の色を「中性色」と呼び区別することもあります)

暖色系

赤色、橙色、黄色など、見ると太陽や炎を連想する色のことです。
暖かみがある色で、活動的な印象をもちやすくなります。

温度を感じる色は、食事シーンと密接に関係しています。
温かいイメージの食べ物と寒いイメージの食べ物では、どちらの方が食欲が沸くと思いますか。

私たちは、暖色系を見ると食欲が沸きやすくなるという心の動きがあります。

そのため外食企業では、温かくて食事を美味しそうに思うような暖色系のロゴをよく利用しています。

寒色系

青緑色、青色、青紫色など、見ると水を連想する色のことです。
冷たさを感じる色であり、冷静で消極的な印象をもちやすくなります。

オフィスなどでは、冷静に業務が行なえるように寒色系を使うことがあります。

また、寒色系は気分を落ち着かせてくれる色でもあるため、ベッドルームのカーテンやシーツ、勉強机などにもよく利用されています。

町を歩いているときに目にした色について、暖色系と寒色系のどちらに属するのかを考えてみると、その色が使われている理由に気がつきやすくなります。

進出色と後退色

画像はどれも同じ形のドアですが、どの色のドアが最も近くにあるように感じますか?

赤色ほど近くにあるように感じ、青色ほど遠くにあるように感じるのではないでしょうか。

波長が長い色は、遠い場所にあったとしても私たちの目に届きやすくなります。

色相を波長が長い順に並べると、「赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色、青緑色、青色、青紫色」となります。

同じ場所に異なる色が置かれていた場合、波長が長いほど近くにあるように感じます。

これを「進出色」と呼び、逆に波長が短くて遠くにあるように感じる色を「後退色」と呼びます。

「進出色」と「後退色」を上手に組み合わせると、空間に奥行きを感じるデザインに仕上がるのです。

このページでは、「色の心理的な効果 色相」について学びました。

色相が変化することで起こる心の動きについて、しっかり理解するようにしましょう。

次のセクションでは、「色の心理的な効果 明度」について引き続き学んでいきます。