このセクションでは、前回のセクションに引き続き「色相環」について学んでいきます。
「マンセル表色系の表示方法」、「補色とは」についてそれぞれ学んでいきましょう。
マンセル表色系の表示方法
マンセル表色系では、数字と記号を組み合わせて色を表示することができます。
これを「マンセル値」と呼びます。
有形色と無彩色はそれぞれマンセル値の表示方法が異なります。
詳しく確認していきましょう。
有彩色の場合
有彩色には「色相」、「明度」、「彩度」が設定されているため、マンセル表色系でもそれぞれについて設定しなければなりません。
表示方法としては、「色相 明度/彩度」の順に行ないます。
色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma)のそれぞれの頭文字を組み合わせて「H V/C」とも表します。たとえば、色相5R、明度4、彩度14の場合は「5R 4/14」と表示します。
無彩色の場合
無彩色には「明度」しか存在しません。
そのため、白色、灰色、黒色といった無彩色をマンセル表色系で表示する場合は有彩色と区別をするために「Neutral(中性・中立)」の頭文字を使います。
たとえば「N5」というように表示します。
有彩色と無彩色どちらも具体的なマンセル値を聞いたときに、色のイメージができるように練習を繰り返しましょう。
補色とは
補色がもつ特徴には、「物理補色」と「心理補色」があります。
それぞれについて確認していきましょう。
物理補色
「色相環」では、180度真逆にある色を「補色」と呼びます。
たとえば、「赤色と青緑色」、「紫色と黄色」は補色関係にあります。
補色の色を組み合わせて表示すると、お互いの色を引き立てます。
この性質は「補色調和」と呼ばれており、非常に注目を集めやすい配色であるため企業のロゴマークや看板などのデザインにも使われています。
心理補色
たとえば赤色をしばらく見た後に別の場所を見ると、何も色がなくても青緑色が見えることがあります。この時に見えた青緑色は「補色残像」と呼ばれます。
視神経は同じ色を見つめていると疲労してしまうため、入力された色の刺激とは逆に位置する「補色」を網膜に映し出して対応しているのです。
こちらのセクションで学んだことは、色についての基本的な内容になりますので、しっかり復習して身につけましょう。
まとめ
この章では、「色の基礎」についての内容を学びました。言葉の定義や色の表現方法など、どれも基礎的な内容になっています。
他の人と色を使ったコミュニケーションができるレベルにまで習得できるように努めましょう。
次の章では、「色のイメージや効果」について学んでいきます。